櫻井万里明
キャッチーな作品で活動の幅を広げるビジュアルアーティスト櫻井万里明の制作現場でインタビュー。彼女の作品に込められた想いと制作期間中に自分らしさを保つ方法を聞いてみた。
まずは今の活動を始めたきっかけや経緯を教えてください。
高校2年生の時に大阪芸大のコンペで賞をいただいて、特待生として入学することが決まりました。高校が進学校ではなかったということもあり、大学進学の時も他の道は全然考えてなくて、そのまま大阪芸大に入りました。色々みていくうちにもっと挑戦したくなって、結局1年間だけ大阪芸大に通って、多摩美に入り直しました。
もともと絵を描くのが好きだったんですか?
そうですね。高校生の時に学校帰りによくプリクラを撮っていて、色んな加工のプリクラがたくさんあったんですけど、それをデコったりしてました。あとは、昔お母さんが買ってきた家具の色が気に食わないと、勝手にピンクとかに色を変えて怒られてた記憶があります。
どうやって今の作風になったんですか?
大学卒業くらいまでは全く別の作風でした。当時はボールペンで絵を描いていたのですが、何でボールペンが好きなんだろうって考えた時があって。それで、ムラがあるのが好きなんだって気付いたんです。そこからインクの溜まりと掠れを大袈裟にしていったら今の作風が出来て、段々キャッチーな雰囲気になっていきました。
活動を見ていると展示からクライアントワークまで幅広く活動されていますが、その中で大切にしてることはありますか?
自分のフィールド以外のジャンルの方たちとのお仕事や、CMの出演のお仕事などにも、制作に関するアイデアやヒントが転がっていたりするんです。なのでなるべく幅を決めないようにして、表現の幅を広げていきたいと思っています。
特に幅が広がったと感じる事はありましたか?
ありましたね。2022年は色んな仕事を貰えて、求められていることと自分のやりたいことのバランス感覚の保ち方を学べました。ギャラリーの雰囲気に合わせてキャラクターを作成したり、来た人に楽しんで貰える世界を表現した空間作りを目指しています。展示中も次の展示に向けたヒントが隠れてるんで見つけてみて下さい。
今後やってみたい事はありますか?
アーティストの枠を超えてビジュアル全体をやってみたいです。例えば、自分のキャラクターでコラボしたTシャツが載るSNS用のアートディレクションをしてみたりとか。
CITYBUDDHAは自分らしさがテーマです。制作期間中に自分らしくいる為の方法やルーティンがあれば教えてください。
結構うちは自分が納得するまで制作してて、妥協しないってことですかね。これでいいやっていうのが出来ないです。あとは、制作中は体力が大事なんで、1日の中で3時間はジムに行ってます。筋トレしたりサウナ行ったりして、バランスを取ってます。
最後に、一歩踏み出せずにいる人にメッセージをください。
やりたいことがあったら、ひとまずリスクを考えることはやめて、前進していくことが大事だと思います。ダメだったら戻れる。みんな考え過ぎてる気がします。案外失敗したとしてもその時には修正できる力がついていると思います。